第14回福岡シンポジウム オーガナイザー
金政 修司 (九州大学先導物質化学研究所)

 福岡シンポジウムも、14回目の開催を数えることができました。今回もまた、かくも多数の聴衆の皆様のご参加をいただくことができました。組織委員会および実行委員会に対するなによりの激励と受け取って、厚く感謝申し上げます。しかし、これだけ多数の聴衆を魅了することができたのは、もとより我々開催側の力量によるものでは決っしてなく、今回ご講演下さる招待講演者の先生方の魅力的なお仕事が、若者の化学への熱い思いをかき立てた結果であることは言うまでもありません。まずは、我々の講演依頼を快くお受け下さって、ご多忙の中を福岡にお運び下さった大石、加藤、佐々木、渡辺芳、小林、福山の先生方に心よりお礼を申し上げます。
 
 今回の福岡シンポジウムでは、―有機合成で迫る生物機能―と副題をつけさせていただきました。有機化学に対する深い知識に基づいて「生物機能発現の機構を解明し」、さらに有機合成化学を武器として「生物機能に学んだ優れたシステムを構築する」ことが、21世紀における環境調和型の化学を発展させる上での重要な視点であると考えたからです。

 福岡シンポジウムは、地域の若い研究者が化学研究の意味を真剣に考える絶好の機会であり続けました。今年のシンポジウムに出席してくれた若い諸君に申し上げたいことがあります。講師の先生方の仕事の細部まで必ずしも理解できなくてもかまいません。大切なことは、研究の中を流れる重要コンセプトは何であるかを把握する姿勢です。新しいコンセプトに触れて、訳もなく胸の高まりを覚えた諸君がいたら、その感性を大切にして下さい。改めて発表論文の調査や周囲の仲間との討論をとおして、自分が感動した理由を明確にすることができれば、ひとつ大きくなった自分を実感できるでしょう。これが大切です。福岡シンポジウムは、研究者としての力量を自己評価するための生きた学習の場なのです。

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